変化の受容: デザイナーの今をデータで読み解く
この3年間で、私たちは適応力の重要性を強く認識するようになりました。
世界中がリモートワークに移行したときに、Figmaは自ら問いかけをしました。「このパラダイムシフトは製品デザイン業界とデザインチームをどのように変えたのか?」「 デザインチームが作成する製品の品質に影響はあったのか?」
Figma発行のレポート「2023 State of the Designer Report (デザイナーの今をデータで読み解く 2023年版)」で、これらの疑問への回答を試みています。Figmaでは、リモートワーク、コラボレーター、デザイン業界の変化について、ヨーロッパ、日本、アジア太平洋地域を中心に調査を実施しました。
結果、日本とアジア太平洋地域の回答者170人がインサイトを共有してくれています。
日本にスポットライトを当てて調査結果を見ていきましょう。

日本およびアジア太平洋地域のデザインの現況
世界共通のトレンドとして、在宅勤務をする人が増えています。
世界全体で見ると、デザイナーの75%が、リモートで働く機会が増えたと回答しています。ただし、地域ごとにその比率は異なります。
日本、インド、東南アジアでは、リモートワークが増えたデザイナーはわずか56~60%に過ぎません。
驚くべきは東南アジアで、製品デザイナーの17%が今でも毎日オフィスに出勤しています。これは世界の他の地域と比較して2倍以上です。
しかし、リモートワークのメリットは続いています。日本では、デザイナー間で在宅勤務を希望する人が増え、Figmaの調査では、デザイナーの32%が在宅勤務を希望していることが明らかになりました。東南アジアでもそれほど変わりません。デザイナーの28%が同じように思っています。
しかし現実は、リモートワークが必ずしも楽とは限りません。
日本とアジア太平洋地域のかなりの数のデザイナー(170人中60人)が、リモートワークは同僚との距離を感じると認めています。
しかし、それが創造性の低下に直結するわけではありません。距離が離れていても、創造性とコラボレーションは今まで以上に強固になっています。
コラボレーションの可能性をさらに引き出す
リモートワークによってデザイナーのワークスタイルが変わったとしても、コラボレーションは今もデザイン業務に欠かせません。
実際にヨーロッパおよびアジア太平洋地域のデザイナーの半分以上(53%)に関しては、グループミーティングによる共同デザインの機会が増えています。
このトレンドは拡大していますが、地域によって異なります。日本では、グループミーティングを利用して共同でデザインする頻度が増えたと回答したデザイナーの割合はわずか36%ですが、インドでは71%です。東南アジアでも急速に増加しており、65%です。
コラボレーションはデザインチームだけのものではありません。デザインの重要性が部門間で高まるに伴い、コラボレーションの品質も重要になっています。
ここが重要な部分です。デザイナーとの効果的なコラボレーションは、チームの連帯感を高めるだけではありません。品質と効率性を向上させることにもつながります。
前述の『デザイナーの今をデータで読み解く』レポートによれば、デザイナーの72%が、効果的なコラボレーションによって製品の品質が向上したと回答しています。
満足度指数: グローバルな観点
働き方が変わったことで、世界中のデザイナーの充実感は増しているようです。
『デザイナーの今をデータで読み解く』レポートでは、ヨーロッパおよびアジア太平洋地域のデザイナーの51%が、3年前に比べ、デザイン職に関する満足度が高まったと回答しています。
インドではその傾向が顕著です。レポートによれば、インドのデザイナーの72%が満足度が高まったと感じています。
東南アジアでもほぼ同様で、デザイナーの58%が、3年前と比べて自分の職業について満足度が上がっていると回答しています。
日本では状況が異なります。Figmaのレポートでは、デザイン職について満足度が向上していると回答した日本のデザイナーは、わずか36%です。
地域によって満足度に差はあるものの、ワークスタイルの変化が、デザイナーが自分の仕事についてどう感じているかに影響を与えていることは明らかです。働き方の変化は、成長、回復力、創造性を掻き立てる絶好の動機になっているようです。

今後進むべき方向性
デザイン業界は皆同じではありません。世界中のデザイナー一人ひとり、ワークスタイルと趣向は異なります。
常にコミュニケーションを取りたい人も、静かに1人で仕事をしたい人もいます。
業務を進めるにあたり、これらの違いを受け入れ、一人ひとりのワークスタイルに適応するツールをデザイナーに提供することが大切です。
日本における製品デザインのトレンドを見てみましょう
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