私たちは、Leadership Collectiveに参加し、リーダーたちが変化の渦中でチームをどのように導いているのか、専門知識が今何を意味するのか、そしてペースが加速する中でいかにして高い品質を維持しているのかを学びたいと考えていました。そこで得られた知見を紹介します。
Config Leadership Collectiveに参加する前に考えていた7つの質問を共有
今年6月、私たちはConfig Leadership Collectiveにて、デザイン、プロダクト、エンジニアリング分野のシニアリーダー1,300名以上を一堂に集め、AI時代のデザインをどう切り拓くかについて、2日間にわたる講演、パネルディスカッション、参加者同士の対話を開催しました。Airbnb、OpenAI、Sephora、Atlassian、Ciscoなどの企業の役員の話を聞きました。これらは私たちが持ち込んだ質問であり、最も共感を呼んだものです。
1. 自分自身がまだ模索中の変化をどうやって主導すればよいのでしょうか?
今日私たちが構築する方法のほとんどは新しいものです。変革をリードしている人々も、他の人々と同じように学んでいます。ツールは急速に変化するため、多くのリーダーは固定されたプロセスに固執するのではなく、状況に応じて柔軟に対応しています。OpenAIのプロダクトデザイン責任者であるIan Silberは次のように述べています。「わずか数か月の間に、業界全体が変化しました。単一のプロセスに固執するのは難しいです。重要なのは適応力です」
リーダーたちは自分自身でも手を動かし、大まかなアイデアをプロトタイプとして形にし、うまくいかなかった試みも共有しています。Airbnbのデザイン担当副社長、Teo Connorは次のように述べています。「遊び、実験し、創造するという、初心者の心構えを持つ必要があります。誰もが初心者であり、誰もが実験すべきです。私もチームとともに、自らプロトタイプ作成に取り組んでいます」
そして、リーダーたちはチームに新しいことを試す余地を与えています。「私たちは、たとえうまくいかなかったとしても、人々が実験を行い、自分たちが作り出しているものに喜びを感じられるような環境を整える必要があります」と、Expediaのデザイン担当副社長Rachel Beenは言います。
わずか数か月の間に、業界全体が変化しました。単一のプロセスに固執するのは難しいです。重要なのは適応力です。
2. これまでの働き方のうち、今でも残しておく価値があるものは何でしょうか?
AIがもたらした数々の変化にもかかわらず、いくつかの基本原則は依然としてその価値を失っていません。あらゆる業界において、リーダーたちは常に同じ真実を再認識しています。それは、自らがサービスを提供する人々との距離を縮め、当初からその仕事をすばらしいものにしてきたクラフトと配慮を大切にし続けるということです。
GoogleのクラウドAIのUX責任者であるSheta Chatterjeeは次のように述べています。「多くのことが変わりましたが、基本は変わっていません。私たちは今も、ユーザーに価値を提供し、ユーザーのワークフローを理解するよう心がけています。そして、クラフトへのこだわりも変わらず大切にしています」
Patreonの元デザイン担当副社長、Jen Dunhamもこの考えに賛同し、次のように述べています。「私はチームに対して、まず第一にデザイナーとして、そして人間として接しています。ツールを追求するリスクは高いですが、本質的に私たちは人間のためにデザインをしており、その点は変わりません」
3. 現在、専門知識はどのような役割を果たしているのでしょうか?
長い間、深い専門性とは特定の一連のタスクを実行することに非常に優れていることを意味していました。AIはその一部を引き継いでいますが、それによって専門性の価値が低下しているわけではありません。価値が置かれる場所が変化しているのです。私たちが話を伺ったリーダーたちは、真の仕事が実行から判断へと移行しつつあると見ています。
「私たちはこれまで、入力を受け取り、タスクを実行し、出力を返すという作業にキャリアを費やしてきました」と、AWSの応用AIソリューションデザイン担当副社長、Hector Ouilhetは言います。「しかし、私たちをこの仕事に惹きつけたのは、それではありません。それよりも高次なもの、つまり、センス、見極め、判断力です。それこそが、私たちにしかできない仕事なのです」
Sephoraのテクノロジー担当上級副社長、Sneha Narahalliもこれに同意します。「専門性とは、もはや答えを持っていることではありません。なぜなら、常に新たな疑問が生まれるからです。専門性とは、自分が置かれている状況において、どの答えが最も適しているかを理解することです」
専門性とは、もはや答えを持っていることではありません。なぜなら、常に新たな疑問が生まれるからです。専門性とは、自分が置かれている状況において、どの答えが最も適しているかを理解することです。
4. AI時代にチームをどのように構築すべきか?
AIツールの登場により、役割の境界線が曖昧になり、チームの構築方法や採用すべきスキルについて新たな疑問が生じています。リーダーたちは自分たちのチーム構造を新たに見直し、どのような経験や才能が必要かを考えています。
Airbnbでは、Teo Connorが、小規模で自立したユニットを中心にチームを再構築しました。「現在はポッド構造で運営しており、各ポッドが小さなスタートアップのように機能しています。通常のプロダクト、デザイン、エンジニアリングといった部門に加え、データサイエンティストやビジネスサイドの担当者が加わることもあります。AIが生成するすべてを鋭い編集者の目で見ることができる、さまざまな視点を持つ優れた人材を集めることに重きを置いています」
Jen Dunhamは、その瞬間に向けて意欲に満ち、準備万端なチーム作りに注力しています。「私が求めているのは、粘り強く、意欲にあふれ、大胆なアイデアを持ち、互いに激しく議論を交わすことができる、率直なチームです。全員が異論なくうなずいているような状況は、物事がうまくいっていない証拠です」
5. 実際にチームに新しいツールを導入させるにはどうすればよいですか?
チームに新しいツールを実際に導入させるには、単にAIを使えと指示するだけでは不十分です。Expediaでは、Rachel Beenがその基盤を構築するために専任のスタッフを採用し、チームがAIツールを自在に扱えるようになるための教育プログラムを立ち上げています。「業務全般でAIの利用を求めるためには、指導を提供しなければなりません。学習に対する安心感を与えれば、チームの成長は加速します」
OpenAIのエンタープライズ部門責任者であるAlex Embiricosは、導入にあたって段階的なアプローチを提唱しています。「チームがAIを自在に活用できるようになるためには、大規模なワークフローのどれを自動化するかをトップダウンで考えはじめるのではなく、最小限のタスクから始めるべきです。Slackを使っているなら、読みたくない長いスレッドを1つ、エージェントに要約してもらうだけでいいのです。その便利さを実感すれば、そこから徐々に広がっていくでしょう」
業務全般でAIの利用を求めるためには、指導を提供しなければなりません。学習に対する安心感を与えれば、チームの成長は加速します。
6. 人々が実際に信頼するエージェントを、どのように設計すればよいのでしょうか?
エージェントの挙動は毎回同じとは限らないため、その構築は難しく、信頼性を確保するのはさらに困難です。しかし、その信頼を築くためのいくつかの原則が繰り返し登場しました。それは、最初から完全な自律性を委ねるのではなく、段階的に信頼を築き上げていくこと。そして、新しい機能が導入されても人々が戸惑わないよう、慣れ親しんだものに依拠することです。
Sheta Chatterjeeは、その段階的な信頼関係を製品そのものに組み込んでいます。「エージェントに最初から完全な自律性を与えるわけではありません。まずは承認プロセスが組み込まれた小さなタスクから始め、人々がエージェントの動作を確認し、承認してから次の段階に進めるようにしています。人々がエージェントへの信頼を深めるにつれて、そうしたチェックポイントを徐々に減らし、エージェントがより自律的に行動できるようにしていきます」
Atlassianの最高デザイン責任者であるCharlie Suttonにとって、信頼とは、あまり急激に大きな変更を加えないことでもあります。「優れたデザインの多くは、慣れ親しんだものと斬新さのバランスを取ることにあります。エージェントを活用できるようになった場合、インターフェースをどこまで変更すべきでしょうか?馴染みのあるものが顧客にとって非常に重要であることを尊重しなければなりません。[エージェントという]目新しさは確かに刺激的ですが、私たちがサービスを提供する人々は、しばしばそうした安心感や慣れ親しんだ環境を必要としているのです」
7. 現在、品質の基準をどのように維持していますか?
誰でも何でもリリースできる状況では、何がリリースする価値があるかを判断するのが困難です。では、単にスピードを重視するプレッシャーがかかる中で、リーダーたちはどのようにして品質を高く維持すればよいのでしょうか?
Ian Silberは、これをリーダー自身の役割だと考えています。「リーダーとして、他のリーダーと連携し、トップから基準を維持しなければなりません。リーダーシップがスピードだけを重視しているように見えるのは、悪いシグナルです」
Teo Connorは、チームメンバー同士が互いの選択について説明し合うようにしており、そうすることで全員が「何が良いか」という点について共通の認識を持って取り組めるようにしています。「私たちは昔ながらのアプローチをとっています…何が良いかについて、チーム全体で共通の理解が得られるようにしています」
そして最終的に、Ciscoの社長兼最高製品責任者であるJeetu Patelは、品質は依然として人間の判断にかかっていると述べています。「センスは外注できません。コードの自動生成が進むにつれ、最も重要になるのはセンスと的確な判断力です。それはエージェントに任せられるようなものではありません」
リーダーたちは今もなお、実践的なアプローチを取り、構築し、実験し、意見交換を行い、まだ解決途上にある課題については率直に向き合いながら、こうした問いへの答えを探り続けています。彼らを支えているのは、優れた仕事を生み出す要素、すなわち、センス、判断力、好奇心、配慮が、以前と変わらず今も重要であるという信念です。




